Unconventional Pairing Originating from the Disconnected Fermi Surfaces of Superconducting LaFeAsO1-xFx
Physical Review Letters 101, 087004-1-087004-4 (2008)
Kazuhiko Kuroki, Seiichiro Onari, Ryotaro Arita, Hidetomo Usui, Yukio Tanaka, Hiroshi Kontani, and Hideo Aoki

鉄ニクタイド系超伝導が発見されて間もない時期に第一原理計算に基づいた5軌道タイトバインディングモデルの導出及び超伝導発現機構について発表した論文である。
電子ポケットとホールポケット間のネスティングによるスピン揺らぎ機構が超伝導の発現機構であると考え、電子ポケットとホールポケット間でギャップ関数の符号が変わるノードのないs+-波を提唱した。
(現段階の被引用件数 409件)


Violation of Anderson’s Theorem for the Sign-Reversing s-Wave State of Iron-Pnictide SuperconductorsSeiichiro Onari and Hiroshi Kontani
Physical Review Letters 103, 177001-1-177001-4 (2009)

鉄ニクタイド系超伝導体における不純物効果の計算を行った論文である。
実験において鉄ニクタイド系の超伝導が不純物に対して強固であることが分かっているため、スピン揺らぎによるs+-波について不純物効果を計算したところ、s+-波は不純物に対して非常に弱いということが分かった。
そこで、むしろ符号反転のないs++波の方が鉄ニクタイド系超伝導体の不純物効果と整合することが分かった。


Orbital-Fluctuation-Mediated Superconductivity in Iron Pnictides: Analysis of the Five-Orbital Hubbard-Holstein Model
Hiroshi Kontani and Seiichiro Onari
Physical Review Letters 104, 157001-1-157001-4 (2010)

電子間相互作用だけではなく電子格子相互作用をとりこんだHubbard-Holsteinモデルをもちいて鉄ニクタイド系超伝導体のギャップ関数の計算を行った論文である。
電子格子相互作用を考えない際にはスピン揺らぎを媒介としたs+-波が出現するのだが、
第一原理計算から見積もられた電子格子相互作用において軌道揺らぎを媒介としたs++波が実現することが分かった。
鉄ニクタイド系超伝導体が多軌道系であることが軌道揺らぎの大きくなる原因となっている。