1. Anomalous charge transport in triplet superconductor junctions

Physical Review B Vol. 70, No. 1, 012507_1-4 2004 


Y.Tanaka and S.Kashiwaya

 異方的超伝導体接合の南部ケルディッシュグリーン関数による一般論[Physical Review Letters Vol. 90 No. 16 167003 (2003)] を常伝導体・スピン3重項超伝導体に適用した論文である。d波のようなスピン1重項超伝導体の接合ではミッドギャップアンドレーエフ共鳴状態(MARS)と常伝導体の中での近接効果が競合するのに対して、p波のようなスピン3重項超伝導体では2つの効果が共存し、非常に特異な性質が現れることが明らかになった。そのために準古典グリーン関数を具体的に計算する際に従来の常識を超えた、拡張した定式化を伴う。接合系の合成抵抗は大きく低下し、またアンドレーエフ共鳴状態が乱れた常伝導体に侵入する。その結果、乱れた常伝導体の中の準粒子状態密度はゼロエネルギーピークを持つ。この性質は、スピン1重項の異方的超伝導体では決して存在せず、スピン3重項超伝導体の近接効果の特徴を示すもので、非常に新しい。これらの性質は今後強相関電子系の中でスピン3重項超伝導状態をトンネル効果によって探索する上で極めて重要であり、超伝導近接効果の研究に重要な足跡を残した論文である  (引用数70)。