1.  Manifestation of the odd-frequency spin-triplet pairing state in diffusive ferromagnet / superconductor junctions,     

Physical Review B, Vol. 75, No. 13, 134510_1-8, 2007

T. Yokoyama, Y. Tanaka and A.A. Golubov

拡散伝導領域の強磁性体金属と超伝導体接合の近接効果の一般的考察を行った論文である。超伝導体の対称性は、スピン1重項だけでなく3重項の場合も考慮に入れた。超伝導体が従来型のスピン1重項のs波であっても拡散伝導領域には、スピン1重項s波とスピン3重項のs波の電子対が誘起される。このスピン3重項s波電子対は奇周波数電子対である。ここで明らかになったことは、この奇周波数電子対の割合が大きいと、準粒子の状態密度がギャップ構造をもつのではなく、ピークあるいはゼロエネルギーで有限の大きさをもつものなるということである。これらの成果はSTMなどで奇周波数電子対を探索するうえで大きな指針となる。
強磁性体の近接効果は2001年のBergeret Vokov Efetovの理論以来盛ん議論されているがUsadel方程式を非線形領域で解いて状態密度を計算している点に特徴がある。[
被引用件数24]


2.  Josephson effect due to odd-frequency pairs in diffusive half metals,
Physical Review Letters, Vol. 98, No. 10, 107002_1-4, 2007,
Y. Asano, Y. Tanaka and A. A. Golubov.
従来型のスピン1重項s波超伝導体と完全分極した強磁性体の間にジョセフソン電流がながれるという衝撃的な実験結果がデルフト工科大学のグループによって報告された。強磁性体は拡散伝導領域にありまたスピン分極しているためにスピン3重項のs波のペア以外、電流を運ぶことはありえない。界面でのスピン散乱の効果を考えることで、この異常なジョセフソン電流の起源を完全分極した奇周波数電子対の近接効果の観点から微視的に解明した論文である。スピン分極率が大きいために、準古典近似の適応は必ずしも容易ではない。そこで方法を変えて、計算は格子モデルとリカーシブGreen関数による数値的方法で行った。ジョセフソン電流はスピン散乱が界面であれば起こりえて、ジョセフソン電流はスピンのそろった奇周波数スピン3重項のs波の対によって運ばれる。また強磁性体の中の状態密度はゼロエネルギーでギャップを持たず、ピーク構造を持つ。 [被引用件数58]